世界半導体生産能力・稼働率の2002年第4四半期(10−12月)の統計数値公表
(2003年2月20日)
世界半導体生産キャパシティ統計(SICAS:Semiconductor International Capacity Statistics)では、この度2002年第4四半期(10−12月)の数値がまとまったので公表する。
第4四半期のMOS IC生産能力は8インチ換算で平均1179.8K枚/週であり、2002年第3四半期の1169.4K枚/週から0.9%増加した。加工精度別の内訳では、0.7ミクロン以上が244.2K枚/週(2002年第3四半期)から220.6K枚/週(第4四半期)へと9.7%の減少、0.4ミクロン以上0.7ミクロン未満では168.2K枚/週から162.4K枚/週へと3.4%の減少、0.3ミクロン以上0.4ミクロン未満では197.3K枚/週から207.1K枚/週へと5.0%の増加、0.2ミクロン以上0.3ミクロン未満では138.9K枚/週から136.7K枚/週へと1.6%の減少、0.2ミクロン未満は420.8K枚/週から453.0K枚/週へと7.7%の増加であった。なお、0.3ミクロン未満合計では559.7K枚/週から589.7K枚/週へと5.4%の増加、0.4ミクロン未満合計では757.0K枚/週から796.8K枚/週へ5.3%の増加であった。
MOS IC生産能力のうち8インチウェハの生産能力は、8インチ実枚数で776.8K枚/週から837.1K枚/週へと7.8%増加した。
バイポーラIC生産能力は5インチ換算で270.6K枚/週から269.4K枚/週へと0.4%減少した。MOSとバイポーラICの生産能力は8インチ換算で1275.2K枚/週から1285.1K枚/週へと0.8%増加した。なお、2002年第1四半期から集計されるようになったMOSファンドリーウェハの生産能力は8インチ換算で166.0K枚/週から156.7K枚/週へと5.6%減少した。
生産稼働率はMOS IC計で81.9%(2002年第3四半期比-4.6ポイント)、バイポーラIC計で76.6%(同-7.1ポイント)、MOSとバイポーラ合計では81.5%(同-4.8ポイント)であった。MOS IC生産稼働率の加工精度別内訳は、0.7ミクロン以上が83.9%(同-5.4ポイント)、0.4ミクロン以上0.7ミクロン未満が76.1%(同-8.6ポイント)、0.3ミクロン以上0.4ミクロン未満が73.1%(同-3.4ポイント)、0.2ミクロン以上0.3ミクロン未満が73.2%(同-4.9ポイント)、0.2ミクロン未満が89.6%(同-3.4ポイント)であった。
MOS IC計における8インチウェハの生産稼働率は82.3%であり、8インチウェハを除いたウェハの生産稼働率は80.8%であった。なお、生産能力と同様、2002年第1四半期から集計されるようになったMOSファンドリーウェハの生産稼働率は61.6%であった。
SICASは1995年2月24日に発足し、世界の5業界団体(EECA、JEITA、KSIA、SIA、TSIA)の支援の下に、現在世界の主要半導体メーカ約50社が会員として参加している。
EECA | : | European Electronic Component Manufacturers Association | (欧州電子部品工業会) |
JEITA | : | Japan Electronics & Information Technology Industries Association | (電子情報技術産業協会) |
KSIA | : | Korea Semiconductor Industry Association | (韓国半導体産業協会) |
SIA | : | Semiconductor Industry Association (of the US) | (米国半導体工業会) |
TSIA | : | Taiwan Semiconductor Industry Association | (台湾半導体産業協会) |
参加会員は四半期毎に年4回、そのIC生産能力と生産稼動実績を地域別に委託した第三者のデータ集計機関に送付する。データは集計機関により集計され、最終的には中央集計機関によりまとめられ、世界計の集計データとなり発表される。
データの秘密保持のため、会員を含むいかなる関係者(データ集計機関を除く)も、公表される「世界計のデータ」以外を知り得ない仕組みとなっている。
参加会員は、各々自社の世界全体の生産能力と稼動実績を連結ベースで把握するが、他の半導体メーカに生産委託している部分は含まない。生産能力・稼動実績のいずれもウェハ枚数を単位とし、集計期間内の累積枚数を週当たりの平均値に換算し「千枚/週」の単位で報告する。報告方法は以下のとおり。
MOS ICは、加工精度により0.7ミクロン以上、0.4ミクロン以上0.7ミクロン未満、0.3ミクロン以上0.4ミクロン未満、0.2ミクロン以上0.3ミクロン未満、0.2ミクロン未満に分けて8インチウェハの枚数に換算、バイポーラICは加工精度の分類はなく、5インチウェハの枚数に換算。またMOS IC生産能力のうち8インチウェハの生産能力について、実枚数のデータも併せて集計。また生産能力については、1年=52週、1週=7日、1日=24時間の稼動を前提とする。なお、2002年第1四半期から、全体の内数としてのMOSファンドリー生産能力とその稼働率の切り出しが行われるようになり、SICAS統計加盟会社44社のうち5社がファンドリー統計に参加している。
SICASへの参加は任意であり、いかなるICメーカ(5つの支援業界団体のどれにも属さないメーカも含む)に対してもオープンである。SICASの統計数値は四半期毎に公表される。SICASの公表数値は、参加会員だけでなく誰にでも入手可能であり、前述の5業界団体から入手できる。
SICASの運営組織は会員から選出された代表者で構成されている。現在、事務局はオランダに設置されている。
SICASの統計は、世界のIC生産能力とその稼動実績に関する信頼に足る情報をタイムリーに提供するものである。このような情報は、IC製造設備の急速な技術革新やIC技術の各世代毎に必要な設備投資額が肥大化していることなどを考えると、半導体及び関連産業にとって有用な参考情報となることが期待される。
なお、日本地域の運営組織として、SICAS Japan委員会が95年1月に設立されている。
問い合わせ先: | SICAS-JAPAN委員会
事務局長 和泉 正
TEL/FAX:045-832-7762 |
世界半導体生産キャパシティ統計<IC生産能力(週単位)>
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