お知らせ
INFORMATION

分娩監視装置/胎児心拍陣痛図をお使いの皆様へ

平成22年7月22日
社団法人  電子情報技術産業協会
医用電子システム事業委員会
 
 平成22年6月28日、英国医薬品庁(以下、MHRA)より、医療機器に関する警告文書「分娩監視装置/胎児心拍陣痛図(CTG)に関する警告」参照番号MDA/2010/054が発出されました。
 胎児心拍陣痛図の記録が正常であると思われる場合でも、母体の心拍数の記録が2倍に表示され、Reassuringと誤った認識がされたことと、胎児の心拍数が半分に表示される可能性があったことを警告しております。
 JEITAとしては、警告の内容全般を御理解いただき、「胎児心拍陣痛図は分娩管理を支援するものであり、胎児の状態をモニタする際は、本装置だけに頼らず他の手段の併用」を推奨致します。

詳細につきましてはMHRAホームページをご参照ください。
http://www.mhra.gov.uk/Publications/Safetywarnings/MedicalDeviceAlerts/index.htm
http://www.mhra.gov.uk/Publications/Safetywarnings/MedicalDeviceAlerts/CON085061


警告文書の概要(JEITA試訳)

問題
一見正常に思えるCTGパターンがみられていても、有害な結果が依然として報告されている。
例えば、2倍の母体心拍数の表示(MHR×2)が、誤ってReassuringパターン(安心できるパターン)となっていることがある。また、半分の胎児心拍数(FHR÷2)が表示されるケースが認められている。
措置内容
専門知識を維持するために各地域でとる手順において、関係臨床スタッフに以下の点を確実に順守させること。
  • 胎児の健康状態については、CTGパターンだけに頼るのではなく、2倍の母体心拍数が表示されるというような、限界やアーチファクトがあることを認識すること。
  • 臨床的に不確実な点が存在する場合は、CTG以外の方法(ピナール聴診器や手持ち型ドプラ)を用いて、胎児心拍数を確認すること。
  • メーカーの使用説明書を読むこと。
  • 分娩時のケアのために、英国国立医療技術評価機構(NICE)診療ガイドラインに精通しておくこと。
  • 相互相関ソフトウエアを内蔵しているCTGモニタを使用する場合は、母体のECGまたはパルスオキシメトリ(SpO2)のモニタリングを検討すること。これにより、FHRがMHRと同じ値のときに、使用者に警告することができる。
    FHRパターンがつねにMHR×2を示している場合は、警報音が発生しないことがあるが、母体の脈拍が記録されているため、FHRの表示がMHR×2となる可能性があったがどうかを使用者が簡単に確認することができる。

以上



本お知らせのPDF版