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移動電話に関する市場調査報告書~スマートフォンの興隆による市場変化と将来展望~

A4判 68頁(2012年3月)
頒価会員11,000円 会員外22,000円
総合企画部 調査グループ

スマートフォン市場の急速な興隆により、これまでのフィーチャーフォンや公衆用PHSを中心とした移動電話市場に大きな変化が起きています。そのひとつとして、東日本大震災を経験し、生活に不可欠なコミュニケーションツールとして、災害時のライフライン復旧と共に復興を支える重要な要素としての期待が膨らんでいます。また、急速に発展を続けるソーシャルネットワーキングへのインタフェースデバイスとしても注目を集めているところです。
当協会 移動電話WGではスマートフォンの急速な興隆をはじめとする移動電話の市場動向の把握、業界自主統計の整備、市場における課題の把握と対応や新規需要の創造および市場育成を目的として、以下のような各種調査を行い、この度、その結果を報告書としてとりまとめました。
・市場の将来像を把握するため、スマートフォンを含めた日本市場における需要台数の見通し調査を実施しました。それによりフィーチャーフォンからスマートフォンへの劇的な市場変化が数字で明らかになりました。
・スマートフォンの急速な市場拡大による移動電話市場をとりまく現状や課題を把握するため、販売店訪問や識者へのヒアリング調査を実施、ユーザの購買動向や、販売店の要望、市場の課題等をとりまとめました。
要旨
目次


要 旨(Executive summary)

(1)市場の将来像調査
統計参加外企業を含めた2011年における日本市場全体の需要台数を見ると38,399千台、前年比100.9%と若干ではあるが前年プラスで推移している。各社からスマートフォンが発売されたことで、ラインナップが充実、ユーザの選択肢が増えたことにより、スマートフォン用アプリケーション市場も拡大、それら相互効果によりスマートフォン需要がさらに拡大したことが移動電話の出荷台数が増加で推移している一因となっている。2010年に17.4%であったスマートフォン比率は、2011年46.2%に拡大し、2015年には80.5%と8割を超え、その後も横ばいで推移するとの見通しとなっている。今後ますますスマートフォン加入者が増加することが予想される中、ユーザが安心して、また簡単に機能やサービスを利用できるように、キャリア、端末メーカ、アプリ提供企業などが取り組んでいかなければならない。
(2)世界生産見通し調査
2012年の移動電話の世界生産台数は17億3,606万台、前年比111%と見通した。このうち、スマートフォンは前年比144%となる6億2,381万台に達し、スマートフォン比率は2011年の27.5%から35.9%にまで拡大すると見通した。世界市場では、アジア、中南米、中近東、アフリカなどの新興諸国が急成長を遂げており、先進諸国でもスマートフォンが新機軸の携帯端末として人気を博し、買い換え需要促進の牽引役となって、さらに拡大傾向にある。先進諸国の多くでは3Gサービスの導入が完了しており、一部では、LTEに代表される3.9Gサービスも導入されている。新興諸国でも3Gの導入が進んでおり、機能を抑えた廉価品とともにスマートフォンの本格的な普及が始まっている。スマートフォン市場では、オープンプラットフォームに対応した製品が本格的に導入されたことで後発メーカも参入してきており、市場が急拡大している。
(3)市場の現状調査
2011年度の販売店訪問の大きな特徴は、大半がスマートフォンの話題であったことである。店舗内の商品配置でも、まずスマートフォンが前面に出ており、フィーチャーフォンは後ろへと追いやられていた。それに呼応して、流行だからスマートフォンを購入したという、ユーザが増えており、購入後、自分の思うように使いこなせず、自宅で眠ってしまったり、中古市場へ持ち込まれたりするケースも多々あることが分かった。市場活性化のためにも、販売して終わりではなく、ユーザの利用目的にそった商品の提供とアフターフォローを心がけなければならない。またスマートフォンが増えたことで広がることが危惧されている有害なアプリケーションを排除する仕組みの確立や、リサイクルに関するユーザ啓発など、国、キャリア、メーカが一体となった取り組みが引き続き必要である。


目 次

1.調査の概要
1.1 移動電話を取り巻く現状、調査・活動の背景
1.2 本WGの考え方と目的
1.3 調査活動の方法
2.移動電話の市場の将来像調査
2.1 調査の概要
2.2 全体動向(市場の将来像調査結果・日本市場の需要推計)
2.2.1 2011年の移動電話の国内需要動向
2.2.2 2012年以降の移動電話の国内需要動向
2.2.3 スマートフォンの普及に向けた課題
2.3 携帯電話国内出荷の動向(JEITA/CIAJ統計実績)
2.3.1 技術動向
2.3.2 市場動向
(1)2011年の国内出荷動向
(2)2012年の見通し
(3)中期見通し
2.4 公衆用PHS国内出荷の動向(JEITA/CIAJ統計実績)
2.4.1 技術動向
2.4.2 市場動向
(1)2011年の国内出荷動向
(2)2012年の見通し
(3)中期見通し
2.5 日本市場トピックスと通信方式・契約数の推移
2.5.1 日本市場トピックス
2.5.2 通信方式
2.5.3 移動電話の契約数の見通し
参考資料-2.1  市場の将来像調査① 国内需要台数見通し各社アンケート調査結果
参考資料-2.2 市場の将来像調査② 内需と加入数見通し各社アンケート調査結果
参考資料-2.3  移動電話国内出荷四半期見通しアンケート調査結果
参考資料-2.4  移動電話国内出荷過去データ(データ集)※JEITA自主統計
参考資料-2.5  移動電話国内生産過去データ(データ集)※経済産業省生産動態統計
参考資料-2.6  移動電話輸出入過去データ(データ集) ※財務省貿易統計
3.移動電話の世界生産見通し
3.1 調査の概要
3.2 移動電話の世界市場動向
(1) 各地域の動向
(2) 加入者数の動向
3.3 世界市場トピックス
(1)アナログ放送終了に伴う周波数の再編
(2)世界のLTE動向
(3)スマートフォンの拡大と増大するトラフィックへの対応
(4)世界のOS動向
参考資料-3.1 電子情報産業の世界生産見通し各社アンケート調査結果(移動電話)
参考資料-3.2 電子情報産業の世界生産見通し各社アンケート・コメントのまとめ(移動電話)
4.移動電話を取り巻く市場の現状調査
4.1 販売店の現状調査
4.1.1 調査の概要
4.1.2 調査の方法
4.1.3 質問項目
4.1.4 調査結果のまとめ
   ・各項目のポイント
   ・各販売店の回答一覧
4.1.5 考察
4.2 市場の課題に関する調査
4.2.1 調査の概要
4.2.2 調査結果(リサイクル、スマートフォンアプリケーション)
4.2.3 考察
5. まとめ
5.1 2011年度調査のまとめと考察
5.2 移動電話市場に関する課題と提言
5.3 今後の展開、施策



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